本の紹介 > リスト > 太宰 治
今ある人の世を独特に風刺した作品です。どちらか選ばなければいけない二択がどちらも間違いだったらどうするのか。人が何かをするとき、間違っていてもやらなければならないことが常にあります。この小説の人物は皆、どちらも選べない、そんなジレンマに悩んではぶつかり、人や世間を横目に見ながら、そんな自分をもせせら笑うかのように振舞います。やること全てに価値を認めず、傍目だけに気を遣って過ごします。皆、心の居場所を持てず、好き勝手に持論を繰り広げます。