本の紹介 > リスト > 森 絵都
6つの優しくてやわらかい日常が描かれた短編集です。全体として、物語に大きな浮き沈みはないのですが、登場人物の日常の中で、元気の出るひと時が描かれています。また同様に、物語の始まりから終わりまで、基本的に登場人物の生活や日常が変わるということもありません。変わらない生活の中で、あらためて喜びを感じたり、まだやれる、などと、ちょっとしたきっかけで登場人物たちに元気が湧いてくるのです。それぞれの大切なものを通し、小さくても確かな仕合せが伝わってきます。