N・P

N・P
吉本 ばなな
N・P

日本人が書いた英文小説「N・P」。これを日本文に訳した人が立て続けに自殺した。自殺した家族と恋人に残されたN・P。これが縁遠い存在であった彼らを引き合わせてゆく。怖いくらいに惹かれ合い、楽しそうに疲れていく彼ら。未来が決まっているかのように吸い込まれながら向かって行く、彼らのもう一つのシナリオ。場面の一つ一つが余りにも美しくて、余りに切ない。近視眼的な感情移入が見えない美しさを削り出している。

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