湯本 香樹実

文庫本夏の庭
夏の庭
単行本版も参照

自分の気持ちに素直なデブと、何も考えていない好奇心の塊のメガネと、やさしくて怖がりなヤセのぼく。この小学生のトリオが死についてあれこれと考えるが、怖くなる一方でよくわからない。そこで怖いもの見たさから、今にも死ぬんじゃないかという噂の一人暮らしの老人をこっそりと見張りはじめる。死ぬ瞬間を見るために。しかし予想とは裏腹の冒険が始まり、自分を見つめることになってゆく。小学生の言葉だからこそ感じられて、次々と生まれてくるシャボン玉のような気持ち。和製スタンド・バイ・ミーと言われる、子どものまっすぐな気持ちを描いた作品です。