ぼくらのサイテーの夏
ぼくらのサイテーの夏
笹生 陽子
6年生の夏、終業式の日、小学校でふざけて遊んでいるうちにぼくは階段から落っこちてしまう。おかげで片手にギプス、前歯も1本欠けてしまった。おまけに毎日学校のプール掃除までするハメに。そうして始まった夏休み。もう、誰が見てもサイテーの夏だ。しかしプール掃除をしているもう一人の変わった奴や、生活指導の先生に刺激されて、ぼくは少しずつこの夏を満喫していく。登場人物それぞれがうまく感化し合い、ぼくを中心に生活に変化が生まれる。硬直した悪い日常を溶かすチャンスが降りてくるのだ。ぼくは自分や家族に足りないものを埋めながら、自分を見据えていく。